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不動産所得
不動産経営者のための、経理処理と確定申告の方法をご説明します。
  1. 不動産所得の納税義務者
  2. 不動産所得の計算
  3. 不動産所得の決算書
  4. 不動産所得の青色申告

1.不動産所得の納税義務者

不動産所得者で所得税を納める義務がある人は、確定申告をしければなりません。 この納税義務者は「課税所得金額に対して税率を適用して計算した結果、納付税額が出る方で、その税額が配当控除額及び定率減税額を超える人」が該当します。


2.不動産所得の計算

不動産所得は次のように、計算されます。
不動産所得の金額=[不動産の総収入金額]−[必要経費]
収入項目と必要経費をさらに詳しくみると次のようになります。

[不動産の収入項目]
  1. 地代・家賃・駐車料…日割分と未収入金の計上洩れに注意
  2. 共益費収入…どんなに金額が少額であっても収入となる
  3. 権利金、礼金、更新料、名義書替料
  4. 敷金・保証金のうち返還しなくてよい部分…相手方負担の修繕費に注意
  5. 不動産の一部の貸付…屋上のネオン塔、側面やへい等への看板や道案内板など
[必要経費]
  1. 必要経費の項目には、
    [損害保険料,修繕費,地代家賃,管理料,水道光熱費,支払利息等]のうち、
    不動産所得を得るのに直接要した費用が入ります。
  2. [租税公課]のうち業務に関連して納付するもの
    • 必要経費になるもの
      …事業税,固定資産税,自動車税,印紙,不動産取得税,登録免許税など
    • 必要経費にならないもの
      …所得税,住民税,国税の延滞税・加算税,地方税の延滞金・加算金,罰金,科料など
  3. [家事関連費]のうち部分的に業務に関連して必要経費になるもの
    • 店舗併用住宅の減価償却費、保険料、固定資産税
    • 電気、ガス、水道料の水道光熱費
    • 飲食費等の交際接待費
    • 車の減価償却費、保険料、修理代、ガソリン費
    • 電話料、インターネット通信料
  4. [減価償却費]を多くするには建物の中味を見積書により区分する
    • アパート、マンションの建築代金を「建物」だけにせず、見積書や請求書によって付属設備や外構設備に区分します。 従って、領収書だけで処理することは良くありません。
    • 給排水等の「建物付属設備」アスファルト敷駐車場等の「構築物」は、耐用年数がそれぞれ15年と10年になり、 耐用年数が短い分だけ減価償却費が増えます。
  5. [修繕費]となるものの具体例
    • 普段又は入居者入替の際の壁の塗替、壁紙や襖の張替、畳の取替や表返し
    • き損した瓦、ガラス、障子、襖の取替
    • ドア、トイレ、台所、換気扇の修理、部屋の改装工事
    • 建物の外壁、ベランダの手摺り等のペンキの塗替
    • 消火器の詰替、法律制定に伴う防災設備である消火栓の取替費用
    • アパートや駐車場の水はけを良くするために行う砂利、砕石等の敷設費用
    • 砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用


3.不動産所得の決算書

青色申告決算書(不動産所得用)の第1面では、 損益計算書で使用する勘定科目を確認することができます。

収益の勘定科目
賃貸料 家賃、駐車場収入など
礼金・権利金,更新料 入居者に返さないもの

費用の勘定科目
租税公課 固定資産税,事業税,自動車税など
損害保険料 火災保険料,損害保険料など
修繕費 建物,備品などの修理費
減価償却費 固定資産を費用化した部分
借入金利子 賃貸物件のローンなどの利子
地代家賃 他人の土地や建物を借りている場合の賃借料
給料賃金 生計を別にする家族や、従業員に支払う給料
外注管理費 業者に支払う不動産管理料
水道光熱費 共用部分の電気・水道・ガス代
消耗品費 文具代、共用の電球代など
広告宣伝費 入居者募集にかかる費用
貸倒損失 回収不能となった家賃など
雑費 上記以外で業務上必要な経費(振込手数料や交際費など)
専従者給与 生計を一にする事業専従者に支払う給料


青色申告決算書(不動産所得用)の第4面では、 貸借対照表で使用する勘定科目を確認することができます。

資産の勘定科目
現金 不動産経営用に区別している現金
普通預金 家賃の入金や借入金返済のための口座
定期預金 不動産経営で生じた定期預金
未収賃貸料 後日支払われる未収の家賃など
未収金 「未収賃貸料」以外で、後日支払われる金額
前払金 既に支払った来年以降の保険料など
貸付金 金銭の貸付分
建物 賃貸住宅の建物など
建物付属設備 給排水衛生設備、電気ガス設備、照明設備など
構築物 塀や舗装道路など
工具 器具 備品 エアコン、パソコン、コピー機など
土地 事業のために購入した土地や造成にかかった額
借地権 所有する建物の敷地を利用する権利
公共施設負担金 下水道受益者負担金など(繰延資産として償却する)
事業主貸 事業の資金から事業主に払った生活費をいい、事業とは別に個人でつかったお金など

負債の勘定科目
借入金 銀行などへの事業資金のローン
未払金 代金の未払い分
保証金・敷金 将来の不備に備えて、入居者から預かっているお金
事業主借 事業の資金として事業主から借りた金額をいい、個人のお金を事業用につかった分

資本の勘定科目
元入金 資産と負債の差額を調整する勘定科目


4.不動産所得の青色申告

アパート経営に関わる青色申告の特典は、事業的規模であるか否かによって、次のように分けられます。
  1. 事業的規模である場合
    • 青色申告特別控除…最高65万円もしくは最高10万円
      65万円の青色申告特別控除を受けるには、以下の2つの要件を満たすことが必要です。
      1. 事業的規模であること
      2. 複式簿記による記帳で、損益計算書の他に貸借対照表を作成して提出すること
    • 青色事業専従者給与の必要経費算入
    • 純損失の繰越控除
      など
  2. 事業的規模でない場合
    • 青色申告特別控除…最高10万円
    • 純損失の繰越控除…限度額あり
      など
なお、事業的規模であるかどうかは、次のようにして判定します。
  • 貸家[独立した家屋]…5棟以上
  • 貸室・貸間[アパート・マンション]…10室以上
    ※貸地[駐車場]の場合は、[5台]で[アパート等の1室]とみます。
    ※貸室と貸家を混有している場合は、[貸室2室]で[貸家1棟]とみます。
 
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