法人決算・申告 Q & A 〜 決算から申告までの会社の経理の重要性
a−14. 「棚卸資産」の評価方法

期末に実地棚卸をしていますが、「棚卸数量の把握」と「棚卸単価の決定」について、教えて下さい。


@「期末棚卸の評価額」の計算方法
- イ.「期末棚卸の評価額」は、会社の裁量で自由に決定する事はできません。利益操作に繋がるからです。
- ロ.「期末棚卸の評価額」は、「(a)棚卸数量」に「(b)単価」を掛けて決まります。期末棚卸の評価は、決算手続きの中で最も重要な項目と言えます。
A「(a)棚卸数量」の把握
- イ.「(a)棚卸数量」は、「実地棚卸」から判明します。期末には必ず「実地棚卸」を行って下さい。
- ロ.在庫の資料から求まる在庫数は、あくまでも数字上の帳簿在庫です。「実地棚卸」をすることによって、正しい在庫数が分かります。
- ハ.「実地棚卸数」と帳簿棚卸数には、差がある事がほとんどです。きちんと、原因を探り、帳簿棚卸数を「実地棚卸数」に合わせます。
- ニ.「実地棚卸」が年1回だけですと、毎月の期中の利益が正しくなりません。毎月「実地棚卸」ができれば、本当はいいですが。
- ホ.毎月「実地棚卸」を行うと、「余剰在庫は無いか」あるいは「適正な在庫数を下回っていないか」など、在庫の状況と過不足が、毎月、正確に分かるようになります。
B「(b)単価」の決定
- イ.「(b)棚卸資産の単価の決定」には、「(1)原価法」と「(2)低価法」があります。
- ロ.「(1)原価法」はさらに、「個別法」「先入先出法」「総平均法」「移動平均法」「最終仕入原価法」「売価還元法」に分けられます。
- ハ.税務署長に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出していない場合には、「(1)原価法」のうちの「最終仕入原価法」を採用する事になります。
- ニ.最終仕入原価法「以外」の評価方法を選択したい場合には、前もって、税務署長へ届け出が必要です。
- ホ.販売管理ソフトで在庫管理をした時に、「最終仕入原価法」か「総平均法」か「個別法」かの、いずれかのみ設定できるソフトが多いので、注意してください。
- ヘ.まずは、「販売管理ソフトで実際に設定可能な評価方法」を、把握します。
- ト.次に、「会社で採用したい評価方法」を、適切に決めます。
- チ.決まった評価方法が、最終仕入原価法「以外」の場合には、前もって税務署長に届け出が必要です。
お問い合わせ

