法人決算・申告 Q & A 〜 決算から申告までの会社の経理の重要性
a−15. 「減価償却」の考え方

今年の決算で、期末に利益が出ていましたが、「減価償却」をしたことによって、利益がかなり減少しました。その結果、納税額も減りました。「減価償却」の考え方について、教えて下さい。


@「減価償却」の効果
- イ.「減価償却費」は費用ですから、その会計期間中に仕訳として計上すると、利益が減ります。この処理を「損金経理」と言います。
- ロ.減価償却資産の償却費は、確定した決算できちんと「損金経理」しておかないと、費用として認められません。
- ハ.税務上は、減価償却資産の「取得価額」・償却方法・耐用年数等を加味した「償却限度額」まで、損金にできます。
- ニ.通常は、期末に1年間分の減価償却費を一度に費用計上します。従って、期中に利益が出ていたとしても、期末に減価償却することによって、利益が減り、所得も減り、納税額が減るのです。
- ホ.利益が出ているということは、会社の事業が儲かっているという事ですから、たいへん良いことです。しかし、利益が出たことによって納税額が増えてしまうのは、資金繰りを考えますと、手放しで喜べません。
- ヘ.「減価償却」は、会社の本業での利益を残したまま、経理上だけで、費用計上します。この時に、減価償却費としてお金が出ていく事もありません。
- ト.結果として、納税額が減るのですから、お金も残ります。
- チ.利益が出そうな時や、資金が充分にある時には、計画的に必要な「減価償却資産」を購入しておくと、のちのちの効果が大きいです。
A減価償却資産の「取得価額」
- イ.固定資産である「減価償却資産」を購入した時には、「(a)購入の代価」と「(b)事業の用に供するために直接に要した費用」を合わせて、「取得価額」にします。
- ロ.「(a)購入の代価」は、「(1)購入先に支払った代金」と、「(2)購入のために要した費用」を合わせた金額です。
- ハ.「(1)購入先に支払った代金」は、いわゆる本体価格です。
- ニ.「(2)購入のために要した費用」は、購入手数料・引取りのための運賃や送料・運送保険料・荷役費・関税などです。
- ホ.「(b)事業の用に供するために直接に要した費用」は、例えば、購入した固定資産を据え付けるための材料費や、運用に必要な設定費などです。
- ヘ.固定資産の「取得価額」に含める金額が大きいほど、減価償却資産を大きく計上できますから、のちのちの「減伽償却」の効果も大きくなります。
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