法人決算・申告 Q & A 〜 決算から申告までの会社の経理の重要性
a−28. 弥生会計で経営分析−分析で使う4つの比較方法−
経営分析をしたいのですが、どのような方法で分析の比較ができるのか、大枠を教えて下さい。
@「実数分析」
- イ.「実数」分析では、決算書に記載されている「実」際の「数」字から単純に、会社の経営状況を判断します。
- ロ.例えば、単純に、損益計算書の売上高の金額や、貸借対照表の現預金の金額の大小をみて、その会社がどれくらいの規模なのかを判断します。
- ハ.決算書の表記によっては、金額の単位が「円」でなはく、「千円」の場合もありますので、ご注意ください。
A「比率分析」
- イ.決算書のいくつかの数値を組みわせて、「比率」や割合を出して分析する方法です。
- ロ.例えば、売上高が1億円で、売上原価が7千万円だとしたら、粗利益は3千万円となります。粗利益「率」は、売上高に占める粗利益の割合ですから、30%となります。
- ハ.粗利益の金額「3千万円」は@「実数分析」の数値ですが、粗利益率「30%」はAの「比率分析」の数値になります。
B「期間別分析」
- イ.「期間別分析」では、その会社の過去の数値と比較して、今期の数値が上がっているのか、下がっているのかを見ます。
- ロ.例えば、売上高が2期前で5千万円、前期で6千万円、今期で1億円だとしたら、その会社は上り調子にあると言えます。
- ハ.弥生会計では、毎月の試算表で、前期比較表示にチェックを付けることによって、前期と今期を比較した試算表を、簡単に出すことができます。
- ニ.また、会社は1年間の営業活動をしていますから、今期だけをみて1月から12月までの売上高が、徐々に伸びている場合もあります。
- ホ.「月次試算表」ですとその月の試算表しかでません。1月から12月の毎月の推移を見たい場合には、弥生会計で「年間推移」の残高試算表を出して下さい。
C「他社比較分析」
- イ.同業他社の決算書の数値を、自社の決算書と比較することによって、自社の経営状態を分析する方法です。
- ロ.気になるライバル会社があれば、その会社の決算書を見てみたいものですが、決算書を公表していない会社がほとんどです。
- ハ.税理士であれば、色々な会社の決算書を見ています。もちろん、税理士には守秘義務がありますから、他社の決算書の内容をお伝えすることはできません。
- ニ.参考として、自社がその業界でどのような立ち位置にあるのか、自社の強みは何かなど、その税理士の見解を聞いて見ると、新しい発見があるかもしれません。
D4つの分析方法を組み合わせる
- イ.「実数分析」「比率分析」「期間別分析」「他社比較分析」は、組み合わせて分析することができます。
- ロ.例えば、過去3年間の粗利益率を比べたとすると、「期間別分析」と「比率分析」を組み合わせたことになります。